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母 

 前もって約束をしなくても、週末は彼とでかけることがお決まりのパターンとなっていた。
 今週も私は彼に会いに行く気マンマンだったのだが、彼から思わぬ休養の時間をもらった。

 「平日学校で、土曜日はバイトで、日曜に俺と会ってたら休む時間がないから、たまにはゆっくりしていいんだよ。」

 最近、体が弱り気味だった私は彼の思いやりのおかげでゆったりと過ごす時間を得られた。
 その時間を有効に使うべく、昼近くまでゆったりしたあと東京都美術館へ出かけた。
 
 上野公園にはまだまだ真黄色のきれいなイチョウの並木が残っていて、風に吹かれてイチョウがハラハラ落ちてくる光景になぜか胸がつまった。

 その時点で私はすでに感極まっていたのかもしれない。

 東京都美術館への道のりは長く感じた。
 一歩一歩近づくたびにいろいろな思いが頭をよぎった。

 
 さまざまな公募展が開催されているせいか美術館は人であふれていた。
 私はある展示会の入り口をくぐった。

 静かなフロアに飾られた数々の作品。
 
 それぞれの作品にはそれを造った人の思いが込められていて、作品の前を通るだけでその重厚感や凄みが伝わってくる気がする。
 いつもならそうだろう。
 だけど今日は自分の靴音だけがやけに耳についた。
 正直、作品に目もくれず展示会の最後を目指していたのかもしれない。

 とにかく色々なアートの中を駆け抜けていった。

 最後の部屋。

 そこには母が作った大きな作品と、母が待っていた。

 立派な賞をいただいた母の作品は、とても謙虚にたたずんでいるような気がしたが、一方で栄誉の喜びに輝いているようにも見えた。
 なんとも言えないパラドックス。

 母はわざわざ足を運んでくださった人たちに囲まれ、本当に嬉しそうに微笑んでいた。
 そんな母に、私はしばらく近づくことができなかった。
  
 家の仕事をこなす毎日で、本当に平凡な「母」。
 そんな自分の母親が評価され、このような形で努力が報われたということに私は胸がつまり、涙が出た。



 私は母の役には何もたっていない。
 それなのに、私の母は

 「来てくれてありがとう」

 と言った。
 本当に何も役立っていないのに。
 親孝行になったとは到底言えない。
 
 それでも私の母は、私のことを感謝したのだった。
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コメント

文を作るのがうまいなー、いや引き込まれたよ。

あのー…

匿名さん>いつも言ってる通り、名無しで投稿しても正体バレてますからね(´Д`)

みんなが心配してましたよ、彼は最近何をしてるんだろう…って。

ヨーロッパは寒いですか?
日記更新してくれないから全然近況がわかりません(´・ω・`)

子供はいてくれるだけで親はうれしいもんなんだよね。多分・・・

いつも親になんかしてあげたいな!って思うけどなんもできない自分がいる。
できるのはいつもありがとう!って言うことぐらいかな。

ブログの雰囲気が変わったねv-411
光景を想像したただけで、涙腺が緩みましたv-409
  • [2006/12/12 22:29]
  • URL |
  • だるまのおやかた
  • [ 編集 ]
  • TOP ▲

匿名②>・・・最近、匿名投稿がはやってるの?

だるまのおやかた>ママはおやかたの訪問を楽しみにしているようだよv-413上野に行ったのは、動物園でヤギと戯れたとき以来でとっても楽しかったですv-352

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